You are currently viewing 全空連の主催で「学校空手道実技指導者講習会」を開催
写真:基本の練習

12月24日(土曜日)・25日(日曜日)の2日間にわたり、(公財)全日本空手道連盟の主催で「令和4年度スポーツ庁委託・令和の日本型学校体育構築支援事業・学校空手道実技指導者講習会」が日本空手道会館で開催されました。

中学校の武道必修化を踏まえた取り組みの一環で、空手道授業を担当する教員と授業協力者などを対象に空手道の講義と実技指導を行い、学校の武道指導の充実を図ることを目的として実施されています。
今回の講習会には中学校から4名、高校から2名、特別支援学校から3名の計9名の参加がありました。

開講式で日下修次全空連盟顧問・学校武道推進委員会委員長が、学校武道必修化開始時には124校だった空手道の採用校が、11年目を迎えた今年度(現在集計中)は500校を超えるまでに普及したことに触れ、「運動会での組体操に代わって空手の集団演武が採用されることも増えてきました。また特別支援学校からも空手道の授業を実施したいという要望が寄せられています。全空連としてこれからも支援を続けていきますが、これからの普及拡大には、教育現場にいる先生方の力がとても重要です」と参加者への期待を述べました。

1日目の座学では、小山正辰講師(森ノ宮医療学園ウェルランゲージスクール校長)が「武道の特性・成り立ち・伝統的な考え方、礼法、立ち方」と題して、歴史を振り返りながら空手道の特性についての講義を行いました。

続いて実技「突き・受け、前屈立ちでの移動、簡易な約束組手(受け・突き)」を岩城公二講師(独立行政法人国立青少年教育振興機構 国立立山青少年自然の家所長)と野中史子講師(高知市立潮江中学校主幹教諭)が指導しました。岩城講師は、「足の位置を時計の針と考えて、(例えば)1時の位置にある右足を、左足を軸に時計回りで7時に移動させて180度方向を変える」と説明。「形を学ぶことは自分の動きを俯瞰で意識することに繋がり、メタ認知能力を高めることもできます」と解説しました。

「特別支援学校における指導法」では、佐藤賢一講師(墨田特別支援学校主任教諭)が知的障がいがある生徒への指導法を紹介。突きの練習では、当たっている感じを出すためにクッションに鈴をつけるなど工夫を重ねている点が紹介されました。
参加者の一人で特別支援学校の保健体育教員の名倉千佳さんは「達成感を大事にし、突きの練習でも動作をいくつもに分けて教えていただいたので、ステップを踏んでいけばやれるのではないかと思いました。体育の授業に取り入れてみたいです」と話していました。

2日目は、スポーツ庁政策課教科調査官の関伸夫氏による「学校体育における武道指導の在り方ついて」の講義がありました。

麗澤大学教授の豊嶋建広講師と同大学准教授の井下佳織講師による「基本形一のグループ発表会と評価について」では、生徒の主体性を引き出す四つのアプローチ(指示・提案・質問・移譲)について考え、先生役と生徒役に分かれて基本形1の団体演武の試合運営のロールプレイを行いました。

小山正辰講師による「創作組手のグループ発表と評価について」では、授業の2年目後半に行われる「創作組手」を体験しました。「技が届かない距離のエア約束組手ですが、蹴りを出されたら後ろに倒れるなど自由な構成ができて、(実際の)組手の雰囲気も味わえるので、とても楽しいと思います」と小山講師は話していました。

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日下修次(公財)全日本空手道連盟顧問・学校武道推進委員会委員長

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岩城公二 独立行政法人国立青少年教育振興機構 国立立山青少年自然の家所長

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野中史子 高知市立潮江中学校主幹教諭

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佐藤賢一 墨田特別支援学校主任教諭

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スポーツ庁政策課教科調査官 関伸夫氏

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豊嶋建広 麗澤大学教授

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井下佳織 麗澤大学准教授

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小山正辰 森ノ宮医療学園ウェルランゲージスクール校長

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教師役と生徒役に分かれ、試合運営のアイディアを出し、試合を行った